一途愛
このことを龍に耳には決して入れてはいけない。
この子は私一人の子


まずはちゃんと伊織さんに話をしなければ。


「あんまり無理しないでくださいね。」

「気をつけます。」

退院の日 詰所で挨拶をしてると
伊織さんがやってきた。

「もういいの?大丈夫なの?」

「はい。あんまり仕事も休めないし・・・。
先生も大丈夫って言ってくれたので。」

「送って行くわ。」

「ありがとうございます。
伊織さんに会いたいと思ってたんです。
あ ご主人にもよろしくお伝えくださいね。」

下の中庭のベンチに座った。

「赤ちゃんのこと言っていいでしょ?」

「そのことなんですけど
絶対に言わないでください。伊織さんの胸の中だけに
おさめてください。
私も言ってないことにしますから。」

「何を言ってるの?
じゃあね 子供は産まないのね?」

伊織さんの目が厳しかった。

「いいえ 産みます。」

「姫ちゃん 何言ってんの?」

伊織さんの唖然とする顔
わかってる
これからはその対応と闘って行かなければいけないね。
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