一途愛
伊織さんは家の前で 
「また 連絡するね。」そう言って車を出した。

私は車が見えなくなるまで頭を下げた。

おねがい・・・・伊織さん・・・・。

まだここに闘いが残っていた。
きっとひどく叱られるんだろう伊織さんだって
あれだけ怒ったんだから
ひっぱたかれるかもしれない……。

「ただいま~~。」

「おかえり不良娘~~~。」
ママが大根を手に持って出てきた。

「今日 パパは遅いの?」

「ううん。もう帰ってくるよさっきメールきたもん。」

うちの両親は本当に仲がいいと思った。
同級生っていうこともあって
いつも会話で満ち溢れている。
親がこんなに明るいのに 娘はどうしてこんなに
陰気なのか 不思議だったこともあった。


「着替えてくるわ。」

気が重かった。
あんまり怒られたことがない。
不安だった。


きっと怒りまくるんだろうなって・・・。


パパが帰ってきた様子。
また騒がしく二人が話している。


深呼吸をした。
「力を貸して ルナタ・・・。」

ルナタの写真を抱きしめる。

私は間違ってないよねルナタ・・・・・。
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