一途愛
「龍くんの子か?」

「違うよ。」

「じゃあ 誰?連れて来なさい。」

「その人とは結婚できないの。」

「まさか不倫か?」

「違うよ!!そんなんじゃないの!!」

ママが
「パパもう…。」と言って止めた。

「龍くんでしょ?姫がそんなこと言うなんて龍くん
以外に考えれないよ。」

さすがママだ・・・・。

「でも龍には言わないでほしいの。
龍は知らないから…絶対に知られたくないの。」

「ちゃんと別れた日に私から龍に抱いてほしいって
お願いしたの。思い出が欲しかったから……。
だけどまさか赤ちゃんできてるなんて 思ってもなくて…。
でもここに龍の子供がいるって知ったら
もうたまらないの。
龍が好きなの愛してんの…。だけど一緒にいられない
理由があるの。
だから龍は悩んで苦しんで私と別れる決意をしたの。
私は龍を信じてるから……
龍の言うとおりにするってずっとずっと決めてた。」


機関銃のように喋りまくって
ハァハァ…と息をした。


「卑屈だった私が こうやって前を向いて
歩いているのは龍がいたから。
龍が私を好きでいてくれて……自信がついた。
龍がいなかったら今の私はいない
いつも家に隠れて暮らしてた…。
友達も仕事も何もない…ただ親のそばで
ボーっと楽しくもない毎日を過ごしてただけだった。」


パパが冷蔵庫にビールを戻しに行った。


ドキドキした。
パパから 雷がおとされる・・・。
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