一途愛
「大関さんに世話になった。」

俺が行くと親父はベットに腰かけて足の運動をしていた。

「そう。で?」

「くたばってほしかったか?」

親父はそう言って笑ったけど 以前のような
憎らしい顔ではなく 悪戯っぽい笑顔に見えた。

病気は親父を変えたのか?
いやいや こいつがそう簡単に変わるわけがない。

「大関さんに 励まされた。
ひどいことしたのにな。」

「姫が?」

「愛される努力をすること
それから礼も言われたんだぞ。」

「礼?」

「おまえをこの世に存在させてくれてありがとだって。」

姫らしい・・・

ふと 親父の顔を見ると 親父は泣いてた。

おい 泣いてるぞ・・・。

「やり直せるかな 俺も・・・・・。
元に戻ったら早くあいつのところへ行ってやらないと。
それからおまえのかあさんの 墓にも行って
ちゃんと話てくるよ。
大関さんが産んでくれてありがとうって
言ってた事 まいったな。」

今さら・・・


だけど親父が違って見えるのは
病気のせいか それとも姫のおかげか・・・・。
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