一途愛
「会って礼を言ってくる。」

会う口実ができて俺は嬉しかった。

「辞めたんだぞ。」

「は?」

「もう二週間くらい前。」

「なんで?」

「詳しくは知らない。」

激しく童謡した俺を見て 親父が
「すまなかった。」と言った。

「今さら?」

「もしもしも 事情が許されるなら……
おまえの好きなようにしろ。
俺は会社から退いて・・・残された老後をあいつと
笑顔で暮して行くよ。」

「あんたのせいで姫と別れたんだ。」

「すまなかった。」

親父が小さく見えた。


「ダメな親父だった。許してくれ。」

俺は病室を飛び出して 詰所に向かった。


「すみません。大関さん退職されたって聞いたんですが
今 どこか違う病院にいったのですか?」

「すみません。そういうことは答えられないのですけど。」

それはそうだ。
誰にでも教えていたら大変なことになる。


でも 誰か教えてくれ・・・・。
姫が今 何をしてるのか。
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