一途愛
姫の部屋の電気がつかなくなった。
ストーカのように毎日毎日きたけど暗いまま。

しばらく通っても
電気がつくことはなかった。

あの男のところへ・…行ったんだ。


喪失感だけが大きくなった。

「龍…聞いてる?」

「え?」

「なんか最近顔色悪いよ。」

楽しくて輝いてる葉月が眩しい。

「いろいろ忙しくて・・・・・。」

「楽しくない?」

「何が?」

「最近 龍を見てると痛いの・・・・・。
私が…束縛してるから?だよね。」

「葉月のせいじゃないよ。心配させてる俺は
まったく・・・情けないな。」

「あのね 私今・・・いろんなことしたいでしょ?」

「いいことだよ。」

「龍…先生……
私 人生やり直したいの・・・・・。
勉強して やりたいことをして・・・・・
それからこんな私を一番に愛してくれる人に・・・
巡り合いたい・・・・・。」

「どういうことだ?」

「婚約取り消して。パパにはもう話してあるの。
全て 私の勝手だから龍の会社には
何も及ばないようにしてもらうから・・・・。
辛いのそんな顔見てんの。
そして・・・そんなに他の人を愛してる人と
一緒にいても何も楽しくないもの。
いいよね?私は幸せになりたい。
今まで龍がいたら幸せって思ったのは視野が狭かったから。
今 こうして何でもできるようになったら・・・・
龍にすがっていくのは間違えだってわかったの。
自分の力で・・・そして私を愛してくれる人を自分で探して
龍と大関さんのようなまっすぐで一途な愛をしたい・・・・。」


俺は 葉月にも見放されてしまった。
笑うしかない・・・・。
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