一途愛
「結局俺には何が残ったんだろう。」

捨てられた猫のように 路頭に迷う。
これが
俺の運命なのか・・・・・?


俺は愛っていうぬくもりの中では生きられないのかもしれない。


今さら…新しい幸せを見つけた
姫の前にのこのこと出ていけるわけもなく……

見捨てられないと残った葉月にさえ
見離されて 強烈なピエロを嘲笑ってくれ。


もう二度と 他人を愛さない・・・・。

拓実が小学校に入学した。
お祝いを持って 姉貴の家に行った。


「あら あんた呼んでないわよ。
弟がこんなに冷酷だなんてね。」

相変わらず辛口の姉貴は 姫と別れてから
さらに辛口になった気がする。

「わかってるって これお祝い
なんか好きなもの買ってやって。」

「あらありがとね。」

「拓実おいで~~~。」

俺は拓実を呼んだ。

「龍くん ランドセル俺 青買ってもらったよ。」

「そっか~~龍くんもかーさんに
おこづかい預けたから ちゃんと好きなもの
買ってもらえよ~~。」

「あ 俺もう決まってんだ。」

拓実は誰に似たのか・・・

「そうか。大事に使えよ。」

「うん。姫の赤ちゃんに一杯一杯
プレゼント買っちゃる。」


「え?」

姉貴がすごい勢いで走って来た。

「拓~~~~~おいで~~~!!!」

「ねえちゃん 姫の赤ちゃんって・・・。」

姉貴は拓を抱きかかえて

「いい加減しっかりしなよ。
イライラする。」

そういうと 俺を玄関から追い出した。

姫の赤ちゃん・・・・
姉貴も知ってるのか・・・・・?
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