一途愛
「龍は元気ですか?」

「よくわかんないわ。
でも少し 昔に戻っちゃったみたいで…冷たい顔してるわ。
仕事は軌道に乗り出してるみたい。
クソ親父も一線から退いて…今はじいちゃんの時の
信頼できる人が社長になってくれたし……
その下で頑張ってるみたいだけど……
何か…変わっちゃった気がするわ。」


「そうですか。」

私のせいかな。
きっと失望させてしまったに違いない。
龍と別れてすぐに他の男の子供を生むのかって・・・・。


でもそうしたのは自分だし
嫌われた方があきらめもつくし・・・。
私も一人で子供を育てるんだから。


拓実がいつ連れて行ってくれるんだとうるさくて


伊織さんは幸せそうだ。


私ももうすぐ一人じゃなくなるんだ。
そう思うだけで嬉しくなった。


孤独じゃないそれが嬉しい・・・・。


「頑張るよ おかーさん。」


そう言った矢先だった。
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