一途愛
パパとママが私がいつもと違うことに
気が付いているようだった。

「朝…シャワー?夏じゃないのに?」パパ。

もう私のイライラを受け止めるのは
この人しかいなかった。

「うっさいな。みんなパパとママが悪いんだからね。
私みたいな子ども作って。」

「どういうこと?」パパ

「遺伝子が悪いのよ。そのうえに
変な名前つけられて 何が姫よ。だから
バカにされるんだから。ほんと…あったまに来るよ。」

「ずいぶん機嫌わるいな~~。」

ママは昨日のいきさつを知っているから
苦笑していた。


「姫がこの世に生まれたい パパとママの子供になりたいって
大変な競争率の中から這い上がってさ…
んで一人勝ちして ママのおなかに入りこんだんだし…。
姫と競争してきて敗れたたくさんの兄弟たちに失礼だぞ。」

パパは飄々として言葉を返す。

パパの性教育はいつもふざけてる。

みんなはおかあさんから生まれたんだって
言ってたのに

パパは
パパから生れてきたんだ姫は。そう言いはるから
私だけやっぱり特別なんだと

小さい頃ショックをうけたものだった。


学校で勉強した時 確かにそうだけど…と
変な感心はしたけど

いつでもパパはふざけてる。


「バカじゃないの!!!」
今日はパパに受け止めてもらうしかないくらい
イライラしてる。
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