一途愛
救う神に私は全てをはなしていた。

「龍くんが…どうして私なのかもわからないんです。
この間も学校でも一番キレイっていう子に
告白されたのに…私の方がいいって言う意味が…
不安で仕方ないんです。
いつか龍くんに嫌われて 龍くんが思い出したくない
過去に私がいることが……。」


「龍もずいぶん姫ちゃんに甘い台詞はいてんのね~。」

「あ…絶対言わないで下さい。
私ったらおねえさんの前で余計なこと言って…
本当に言わないで下さい……。」

「わかってるって。
あの子ももしかしたらやっとまともになったのかもね。」

「まとも?」

「私も余計な事は言えないけど……
今の龍が 姫ちゃんをいいって言うんだから
姫ちゃんは龍を喜ばす努力はしないとね。
キレイな女とかスタイルのいい女とか そういう
外見なことじゃなくて…姫ちゃんの何かに
強く魅かれたんだと思うのよ。
あの子もずっと病んでたから…一歩踏み出せたってことで
私たちにも喜ばしいことだわ。」

「病んでた?」

「そこらへんは余計なことだから…
いつか龍から聞くと思うけどね……。
姫ちゃん 龍のことよろしくね。
あの子のために綺麗になりたいって思ってくれることは
龍にとってもうれしいことだから
もちろん姫ちゃんにとっても……。
新し自分に生まれ変われるチャンスかも
知れないんだからね。」


新しい自分に生まれ変わるチャンス……


「本当の意味の姫になれるように
努力しなさいってことよ。
せっかく素敵な名前があるんだから。」

「姫は姫でも大関姫なんです…。」

「そういうとこから 治さないとね。
自分に自信持てる子になったら 最高に素敵な名前よ。」

伊織さんの言葉が心に残った。
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