一途愛
「パパ ちょっと…ちゃんと反対してよ。」

ママが騒いだ。


「お願い パパ 
この猫ちゃん 助けてあげたいの。」

こう言う時は 私に甘い パパがいい味方になってくれる。

「よし 姫の願いだ。
パパ 協力するからな。」

「もう…だけど大丈夫かしらね。」

なんだかんだ言ったママが早速 数本のペットボトルのお湯を入れて
子猫を囲むようにベットを作った。

その中に静かに子猫を置いて
顔だけ出してタオルを体にかけてやる。

パパは閉店間際ギリギリに飛び込んで
子猫用のミルクと離乳食を買ってきた。

「どうか…どうか助かりますように。」


「仕方がない。今夜はストーブつけて暖かくしようか。」

ママからお許しが出て
ストーブ前の特等席に猫をおいた。

「今日 ここで寝るから。」

「わかったよ。」


しばらくして白い猫の鼻が 濃いピンク色に変わってきた。
そして
ウ~~~ンと伸びをした肉球も同じ色に変わった。

「もうきっと大丈夫よ。名前 考えなきゃね。」


凍える夜に偶然出会った新しい家族


そういえば あの黒い猫はどうしているだろう……

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