一途愛
「彼氏でもできたのかしら。」

長風呂からあがった私に
ママの声が聞こえた。


「だってカラスの行水だったのに もう一時間よ。
休みにお洒落して出かけたり 携帯欲しがったり
それにダイエットまで…
今までの姫にはありえないことだわ。」


そうなのママ
私に素敵な彼ができたんだよ。


「んな・・・バカな・・・。
なんか影響与えてくれる友達でもできたんだろ。」


パパはわかってないな~~

「転校生が来てからちょっと変わったわね。」


「どっちにしても姫が成長し始めたってことだよ。
応援してあげないとな。」

「そうね。学校でも強くなれるのかしら。
守ってくれる人はいるのかしら。
……あ そういえばこの間 学校に迎えに行った時
いた…いたわ…あのイケメン……。
まさか…まさかね……。
でも優しくしてくれてるようだったし…。」


さすがママ~~~

「傷つかなきゃいいけど…。」

ママがポロンと言った言葉で現実に帰った。


「誰だって…一度や二度傷つくからな。
そうやって大人になったんだろ俺たちだってさ。」


龍との恋だけは…絶対傷つきたくない。



私は必死に美のお手入れを決行してみた。


綺麗になったら捨てられない……。
頑張らなくちゃ…。
< 98 / 416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop