繋いだ手
さっきのソレは、勘違いだよ。

と、自分の中で消化させながらも、

あがったままのテンションはそのままに、あたしはこの空間に

全身で笑った。


「んはははぁ。超喜んでる。うん!マヂ綺麗。よかったね、登れて☆」


あんなにやさしい気持ちになれたのは、

善が繋いでくれた手が、そこにあったからかもしれない。



けれど、そのことが確信になったのは、そのずっと後になってからだった。
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