現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「幽霊屋敷だぁ!」


立ち上がって早々、白い洋館を指差しながら、理緒は声を上げた。


そして、また走り出す。


「ちょっと、理緒!また転ぶから、走るのやめな!!」


「理緒ちゃん、待って~!」


流依と優梨は、再び走って理緒を追い掛けた。


しかし、なかなか理緒に今回も追い付けない。


走り続けて、2分程。


ようやく、白い洋館の前まで来て、理緒が立ち止まった。


それに合わせて、流依と優梨も立ち止まる。


「ハァハァ…」


優梨は体力がないのか、息を切らしている様子だ。


「優梨ちゃん、大丈夫~?」


「明らかに、理緒のせいだよ」


「え~?あたし、何もしてないよぉ!?」


不思議そうに流依の方を見る理緒は、本当に分かっていないようだ。


呆れて何も言えなくなり、流依は溜め息を吐いた。
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