現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
美波が話し終わったのか、悟志が流依達の方へ戻ってくる。


その表情は、溜め息を吐きたそうな顔だった。


大した事ない話だったのか…。


そう思ったが、一応、流依は悟志に訊ねた。


「京極。何、言われたんだい?」


「聞かない方がいい」


そう言われると、余計に気になるのが人間だ。


「一応、言ってみなよ」


「お兄さん、私と二人の秘密にしたいんじゃないの?」


笑顔で流依の方を見詰めながら、美波が言う。


その瞬間、悟志は口を開いた。


「オルゴール、一個くらい貰ってもバレなそうだから、好きな人と一緒に聴いてみよう、だそうだ」
< 117 / 201 >

この作品をシェア

pagetop