現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
すると、部屋の中は、明るかった。


木製のテーブルの上に、スタンドに乗せられたロウソクがあり、それに火がつけられていた。


テーブルの上には、ロウソクの他に、タロットカードや水晶玉なども置いてある。


そして、テーブルの奥には中年の男が一人いた。


ロウソクの灯りが、不気味に男を照らす。


理緒達の姿を確認すると、男はニヤリと笑った。


「ようこそ、占い師の館へ」


――ゾクッ。


三人とも、寒気がした。


しかし、流依は平然を装って口を開いた。


「アンタが、恋を必ず叶える占い師かい?」


「その通り。何か恋で、お悩みかな?」


男は舐める様な視線で、三人の方を見詰める。


理緒と優梨を、流依は後ろへ庇った。


しかし、流依を遮って、優梨が前へ進み出た。


「私、好きな人がいるんですけど…、その人を振り向かせたいんです」
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