現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「そして、今も幽霊がいる」


「え?」


「どういう事?」


「この部屋に、幽霊がいるの?」


「ドコにいるんだ?」


全員が戸惑った様に、部屋の中を見回している。


「そこだ」


悟志は、流依の方を指差した。


正確に言えば、流依の手にあるオルゴールを。


全員の視線が、オルゴールの方へ集中する。


しかし、何も見えない。


――ガシャンッ。


流依は顔を強張らせ、オルゴールを床へ落とした。


その音が、更に全員の恐怖心を煽る。


「ひっ!」


――ドシンッ。


純輝は、あまりに怖がり過ぎて、ソファーから転げ落ちた。


悟志だけは、全く動じていない様子だが…。
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