現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「ない!」


「え?」


流依の言葉に、全員が戸惑った様な顔をする。


「一昨日、確かに持って帰って鞄の中に入れておいた筈なのに、ドコにも見当たらないんだ!」


そう言って、流依が鞄の中から一つずつ物を取り出し、テーブルの上へ置いていく。


「まさか…!」


「京極。何か心当たりあるのか?」


悟志の方へ、全員の視線が集中する。


「昨日、幽霊屋敷の管理人が消えた理由は、その日記を奪い返すためだったんじゃないか?」


「え?」


「でも、大した内容は書かれてなかったよねぇ?」


「ああ。しかも、日記が書かれてるのは、一年前までだし…」


「一年前?」


オウム返しに、悟志が呟く。
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