現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「歌詞が暗いから、自殺を決意するキッカケになっただけで、曲を聴いたから自殺したというのは都市伝説だという説もある。1933年て言ったら、完全に戦時中だしな。だが、真相は不明だ」


幹彦の説明が終わると、暫く4人は黙り込んだ。


周囲の生徒達の雑談する声や、小説を書いている生徒の原稿用紙を捲る音が、やたらと大きく聞こえた。


「自殺魔曲と恋愛魔曲って、何か名前が似てない?」


沈黙を破る様に、珍しく真面目な表情で理緒が言った。


「確かに、似てるね…」


渋々、流依が頷いた。
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