現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「あのね…」


優梨が話しかけた時、別の声に遮られた。


「流依ちゃん!」


理緒が流依の方を、鋭い目つきで睨んでいる。


「苦しかったんだからね~!」


「理緒、ゴメン。つい…」

理緒の頭を撫でながら、流依は優梨の方へ視線を戻した。


「で、お願いしたい事って?」


「うん。あのね…、今、好きな人がいるんだけど…」


恥ずかしそうに俯き、優梨は声を潜めながら口にした。。


「え?誰!?」


興味津々な様子で、理緒が訊ねる。


「誰にも言わないでね?」


「うん、言わないよ!」


理緒が、即答する。


それを見て、絶対に理緒は言いそうだと思ったが、流依は口にはしなかった。


「流依ちゃんも、誰にも言わないでね?」


「ん?ああ」


流依が興味なさそうに頷くと、優梨は顔を赤らめながら、声を潜めて口にした。

「岩泉君…」
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