現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
二度目の幽霊屋敷
コートを着て、鞄を手にした理緒達は、文芸部の部室を出ると、げた箱で靴を履き替えて高校を後にした。


「眩しいよぉ!」


高校から出ると、理緒は急に差し込んできた光を、眩しそうに片目を瞑りながら手で遮った。


「今日は、天気いいんだな」


純輝が誰にともなく言うと、流依は溜め息を吐いた。


「こっちは、そんな気分じゃないってのにね…」


「でも、一昨日と違って寒くないから、いいんじゃない?」


「確かにね。一昨日は、本当に寒かったよね」


そう言って、理緒の方を見た流依は、何かを思い出した様な顔をした。


「そう言えば、理緒。一昨日みたいに、走るんじゃないよ?また迷うのは、私は嫌だからね」


「分かってるもん。あたしだって、もう迷いたくないよ!」
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