現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「森が見えてきたが…、幽霊屋敷があるのは、こっちで合ってるんだよな?」


純輝と共に、前を歩いていた幹彦が急に足を止め、言い争いを始めた理緒と流依の方を振り返る。


理緒と流依は、同じタイミングで辺りを見回し、すぐに幹彦の方へ視線をやった。


「合ってるよぉ!」


「間違いないね。一昨日に見た景色だよ」


頷く理緒と流依を見て、すぐに幹彦は無言で正面へ視線を戻した。


それとは対照的に、今度は落ち着きなさそうに、純輝が理緒達の方を振り返った。


「幽霊屋敷まで、後どれくらいなんだ?」


「もう少しだよ」


「もう少しって、どれくらい?」


「すぐ着くよ」


「すぐ着くって言われてもなぁ…」


純輝は困った様な顔をして、自分の頬を掻いている。
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