現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
少し歩くと、白い洋館が幹彦の視界に入ってきた。


「白い建物だ…」


幹彦が呟くと、他の三人の視線も白い洋館の方へ集中する。


「あ、あれが…、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ…」


「幽霊屋敷だよ」


声が震えて、なかなか言葉に出来ない純輝に痺れを切らし、白い洋館を睨みながら流依が言った。


「でも、二度も来る事になるなんてねぇ…」


「全くだよ」


「占い師のオジサン、恋愛魔曲の事、教えてくれるかなぁ?」


「教えてくれないなら、力付くでも喋らせるだけだ」


自分の指の関節をポキポキ鳴らしながら、幹彦が不適な笑みを浮かべて言った。
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