現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「沖本の心の準備が出来たなら入るぞ?」


「木下。俺なら…、だ、大丈夫だぜ!」


「そうか」


幹彦は小さく呟くと、すぐに正面へ視線を戻し、玄関のドアを潜った。


すぐに、流依も続く。


純輝も足を踏み出そうとしたが、なかなか一歩を踏み出せない。


焦りながら、純輝が戸惑っていると、理緒が上目遣いに顔を覗き込んできた。


「あたし達も行こう?」


「あ…、ああ。そ、そうだな」


純輝は、理緒に好意を寄せている。


そのため、これ以上、理緒にカッコ悪いところは見せたくないと思った。


そう思った瞬間、純輝は理緒の手を引きながら、さっきまで動かなかった足を動かし、玄関のドアを潜る事が出来た。
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