現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「理緒は?」


「ん?」


「草壁は、何か聞こえたか?」


「特に聞こえなかったと思うけど…」


思い出す様にしながら、理緒が喋る。


「あ!」


「理緒?」


「何か聞いたのか?」


「風の音なら、聞こえたよぉ!


「風の音?」


「純輝君が聞いたのって、風の音なんじゃない?」


理緒が言うと、全員の視線が純輝に集中した。


「よく考えたら…、そ、そうかも知れない…」


居心地悪そうに、自分の頬を掻きながら、純輝は理緒達から視線を逸らして答えた。


「沖本。アンタ、本当にビビりすぎ…」


「全くだな」


流依と幹彦は、純輝に冷たい視線を送った。


そして、再び奥に向かって歩き出した。
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