現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「コイツは、京極悟志【キョウゴク サトシ】だ。昨日、俺が話した奴だ」


幹彦が言うと、悟志は軽く頭を下げた。


理緒達も、同様にする。


「ここじゃ、落ち着かない」


周りを見ながら、悟志が口を開く。


文芸部の部員達の視線が、まだ悟志に集中したままだ。


無理もないだろう。


「俺の家に来るか?」


いきなりの悟志の言葉。


「え?」


理緒達は、顔を見合わせた。


殆ど面識のない人間の家に、いきなり訪問して良いものだろうか…。


迷惑じゃないだろうか?


「心配しなくても、俺の家は高校の近くだ。歩いて行ける距離だ」


別の心配をしていた理緒達は、悟志の言葉に呆気に取られた。


「行こうぜ」


理緒達の様子に痺れを切らし、幹彦が言った。


「木下が言うなら、いいんじゃないか?」


「そうだね」


「うん!」


理緒達は、やっと首を縦に振った。
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