現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
京極悟志の家
悟志の家は、本当に高校から近かった。


歩いて五分。


予想していた以上に近くて、理緒達は呆気に取られた。


バス通学している理緒からしたら、正に夢の様な距離だ。


更に、理緒達を驚かせたのは、悟志の家の外観だ。


隣にあるレンガ作りの家の約二倍はあるだろう洋館が、悟志の家だった。


住む世界が違うと、理緒達は思った。


しかし、それと同時に、幽霊屋敷と呼ばれる白い洋館の事も思い出した。


これから、その事について話す。


そう思うと、理緒達の中で緊張感が高まった。


「入れ」


玄関のドアの鍵を開けた悟志は、何時までも自分の家を見上げたままの理緒達の方を振り返って言った。
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