現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「オルゴールのネジを回すと、幽霊に取り付かれる仕組みだったのかも知れない」


「え?恋愛魔曲を聴くと、恋が必ず叶うんじゃないのぉ!?」


「草壁。現に、野上優梨と岩泉恵介は、死んだんだろ?」


「……」


悟志に訊かれて、理緒は黙って頷く。


「二人が死ぬ前に、オルゴールを聴いたとは限らないんじゃないか?」


隣に座る悟志に、幹彦が訊ねる。


「警察の話だと、オルゴールのネジの部分に、ハッキリと野上優梨の指紋があったみたいだよ」


「それなら、確実に死ぬ前に、オルゴールのネジを回しただろうな」


「オルゴールを聴いて、幽霊に取り付かれたって事は、その幽霊が二人を殺したって事?」


俯きながら、理緒が訊ねる。


「現時点では、確実にそうだと断定は出来ないが、その可能性があると俺は判断する」
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