現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
校門を潜ると、冷たい風と真っ白な雪が吹き付けてきた。


「寒いね~!」


風と雪から顔を背けて歩きながら、理緒が緊張感のない声を出した。


「理緒、帰るなら今のうちだよ?」


「帰んないもん!」


「で、幽霊屋敷まで、どうやっていくんだい?」


言い返してきた理緒を無視して、流依は隣を歩く優梨の方へ目をやった。


「高校の近くみたいだから、歩いて行こうかなぁって…」


「近いんだ?」


「うん。この近くに、誰も近付かない森があるじゃない?」


「うん、あるね!」


「その中にあるみたい」


「知らなかったぁ!早く行ってみたいな~♪」


理緒が興奮気味に、優梨の方を見詰めて言う。


それを見て、流依は不安になった。


「理緒、迷子になるんじゃないよ?」


「ならないもん!」


「手、繋いで歩こうか?」


「あたし、そんなに子供じゃないよ!」
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