現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「ねぇ、あなた達」


女が、悟志と幹彦の方へ目をやる。


「何だ?」


怪訝そうな目で、悟志が訊ねる。


「出ていってあげたら?」


「何故だ?」


更に、悟志が怪訝そうな顔をする。


幹彦も、女の方を警戒する目で見ている。


「男の子がいたら、恋愛ごとって相談しにくいでしょ?」


「ああ、そうだな。黒須の相談が終わるまで、部屋の外で待っているとしよう」


あっさり悟志が頷いて、部屋のドアに手を掛けた。


それを見て、幹彦が戸惑う。


「おい、京極。いいのか?」


「木下。恐らく、大丈夫だ」


「恐らくって…」


「取り敢えず、部屋から出よう」


戸惑う幹彦の手を引いて、悟志は部屋から出ていった。


後には、流依と占い師の格好をした女だけが残される。
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