かけがえのない宝物
悠太に話して多少すっきりはしたものの、家に帰ると少しだけ、ほんの少しだけ寂しさが蘇ってきた。


『あれ?聖也今日は早いのね。』

母親が今俺がくぐった玄関の戸を開けた。

『あぁ。おかえり』

必死に笑顔を作った。

寂しいのはあるが、やはり母親には幸せになってもらいたかった。


もし俺さえいなければもっと早く再婚出来たのに。


だから今は笑顔で祝福してあげよう。




『昨日の話…あったでしょ?来週の日曜日…空けておいてくれるかしら』

夕食の後、母親にそう言われた。

『わかった。』

何故か母親の顔は見れない俺がいたんだ。
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