かけがえのない宝物
…悠太の退院の日。
朝九時に悠太の病室に向かう。
扉を開けた時、俺は目を疑った。
『っ…。』
『まさやぁ〜本当に来てくれたんだね。あっ、俺の姉さんだよ。』
悠太の姉さん?
付き合いは長いが姉がいる事など知らなかった…
ましてや…
『初めまして。聖也さん。悠太がお世話になってます。』
声まで美しい。
悠太のお姉さんは泉(いずみ)さんって言うらしい。年は俺の3つ上。
だから19だ。
『初めまして。』
緊張してか、ぶっきらぼうにしか言えなかった…。