かけがえのない宝物
約束の日。
隆二さんと母親は昼過ぎに出掛けた。帰りは遅くなるみたいだ。
ピンポーン
来た。
走りたい気持ちを抑えゆっくり歩いていく。
『聖也君お待たせ。』
車の中に乗ると泉さんの笑顔に出会った。
食事を済ませ再び車の中。
『この後どうしようか。聖也君は門限とかある?』
泉さんが聞いてきた。
『いえ。時間は大丈夫です。悠太君とオールとか結構してるくらいですから』
俺は逸る気持ちを抑え、丁寧に答えた。
『じゃあ今日は一緒に過ごそうか。』
泉さんは積極的だった。
美男美女。恋に落ちるのは早かった。
特定の女を作らない俺がね、彼女を作ったんだ。
恋愛感情なんか持ってなかった俺が初めて恋をしたんだ。
燃えるように熱い恋を。