かけがえのない宝物

環境の変化

『まさやぁ〜あんた何時まで寝てんの？』

母親に起こされる。
今日は日曜日だって言うのに九時に起こしてそれはないよな…。

仕方なく布団から這い出てリビングへ向かう。

『おはよう。』

瞼を擦りながら挨拶。

『おはよう。あんたまた夜中に帰ってきたでしょ？』
挨拶もそこそこに凄い剣幕の母親。

『あぁごめん。気を付けるよ。』

母親には逆らえない。
俺が三才の時父親が事故で死んでから女手一つで育ててくれたからな…。

ちょっと涙腺緩んできちゃったかなんて思ったら母親からとんでもない事を聞かれた。

『あのね…もしだよ？もし…母さんが再婚を考えたら…あんたどう思う？』

…え？再婚？

『母さんがいいならいいと思うよ。』

明るく答えたが…正直寂しく感じた。