俺様生徒会長
「ううん、行ってくる。 どうせこんなこともあるだろうしな、って思ってたし、今断ってもまたいつか呼び出されるだろうし。」
 心配かけまいと桜花に笑顔を向ける。
 桜花と話している間にも女の子たちはズンズンと進んでいく。
「あ…じゃ、行ってくるね。」
 桜花の返事を待たずに女の子たちを追いかける。

 桜花にあんなこといったものの、やっぱり嫌だな…。
 私をこんな目にあわせた、俺様悪魔会長!!
 許さない!!
 なんで私がお呼び出しされなきゃいけないのよぉぉ~~…
 ぶつぶつと心の中で会長への文句を言いながら、5人組の女の子たちについて行った。


《海斗Side》

 あ~…周りの女たちうぜぇ。
 ケバイ
 香水臭い
 いつもに増してキャーキャーうるせえし…。
 周りの奴らを無視しながら歩いて行くと、数学室Ⅱへと入っていく美奈を見かけた。
 美奈は入学初日に俺にぶつかってきた女だ。
 美奈は俺にキャーキャー言わねぇんだよな。
 最初は学園祭の準備に利用してやろうと思っていただけなのに、いつのまにか好きになっていた。
 俺の周りにいたケバイ女らを振り切って美奈についていった。

 あー…なんか女5人に言われてんな。
「あんた目ざわりなんだよ! 生徒会に入れたからって調子乗ってんな!!」
 …はァ? 何言ってんの、こいつら…。
「どーせ行ったって聞かないんだろうし、少々痛い目にあってもらいますか。」
 女たちがクスクスと笑いながら言っている。
 痛い目だと? ふざけんな。

 女の1人が美奈をたたく直前に女の腕を掴んだ。
「お前ら何やってんの?」
「「「「キャーーー」」」」
 うるせぇ。 質問に答えろっつーの。
「何やってんのか聞いてんだけど?」
 苛立ちを抑えきれない俺はきつい口調で問いただした。
「ぇ…あの……ちょっと懲らしめてやろうと…」


< 13 / 27 >

この作品をシェア

pagetop