俺様生徒会長
「学年、いや全校で白瀬さんと並んで1、2位で可愛いんじゃね?」
 こっちは誰のことを言ってるんだろ…?
「お前ら邪魔。…ちょっと美奈来い。」
 …?
「何?会ちょ…ひゃぁっ…」
 会長に近づいた私をぐいっと自分の方へと抱き寄せ、肩に手を置いた。
「こいつ、俺の彼女だから。お前ら、鬱陶しいから近づくな。」
「「「「キャーーーー」」」」
 また、女の子たちの悲鳴。
 でも、さっきの悲鳴とは違って絶望に近い。
「海斗様に彼女がっっ……」
「でも、あの子にはかなわない……」
 あ~…もう…本当になんなの…
 人前でなに言ってるの……
「会長、離れてっっ!!」
「あ?なんでだよ。別にいいだろ」
 ぜんっぜんよくないって!
 女子の皆さんの視線がめっちゃ痛いんですぅ……
「おーい、騒がしいぞー早く席つけー」
「ちっ…」
 会長は舌打ちをして私から離れた。
 はぁ……朝から疲れる……。
「えー今日は学園祭の最終確認で1日授業はつぶれます。」
 やったぁ!1日授業つぶれる~♪
 ……って、何この状況…
 私の隣に会長が座ってるんですけどっっ!!!
「ちょっと…なんで私の隣が会長なの?」
「もともとここだっつーの……ずっと隣の席いなかっただろーが」
 …そういばいなかったな……
 でも、同じクラスの上に隣の席ぃ~?
 一層女子の皆さんの視線が……。
「じゃあ、まずクラスの出し物の衣装あわせをしましょう」
 委員長が先生に変わり仕切っている。先生は教室から出て行った。
「では女子は隣の教室で、男子は英語室で着替えて、着替えた人から教室に戻ってきてください。」
「行こう、美奈」
「う、うん……」
 いやだな……。
 猫耳メイドなんだよ?メ・イ・ド!!
 ムリィィ~……

「よし、着替えれた!美奈も着替えれた?」
「うん……」
「じゃ、教室に戻ろ~」
 うぅぅ……いやだよぅみんなに笑われる……
「「「「キャーーーー」」」」
 …この声が聞こえるってことは、たぶん会長が教室に戻ってきたんだろうな……
 会長って何の衣装だっけ?
 ……気になる。とても気になる。
 そろ~っと教室をのぞくと、桜花に背中を押されて教室にダイブした。
「うわぁっ……」
 こ、こけるっ!!





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