サンドグラス ~アルツハイマー闘病記~
とは言うもの、

外を探すとなっても

父の行きつけの場所など

知る由もない。

近くの公園や

ファミレス、

スーパー…

どれくらい探し回ったであろうか、

辺りは日も暮れ

駅周辺には屋台が賑わっている。

母は気力を無くし

トボトボ歩いている。

夜は一軒一軒居酒屋をあたってみるが、

目撃証言は得られない。

もしや…

と思い、

キャバクラや

会員制高級クラブなどもあたってみたが、

有力な情報は全く得られなかった。

「あのお父さんが

 こんな店に来るわけないわよね…。」

そう言い、

母は父のアパートに戻った。

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