サンドグラス ~アルツハイマー闘病記~
今日の夜、
帰ってくるかもしれないし、
もしかしたらもう帰っているのかもしれない、
そう期待していた。
むしろ、そう願うしかなかった。
アパートに着き、
母はドアの前に立った。
ドアノブを握り思い切ってドアを開けてみた。
が、鍵はかかったままだった。
肩を落としながらポストに向かい鍵を取る。
部屋に入ってみたが
やはり父の姿はなかった。
母は絶望感に駆られた。
お父さんが家出をするわけを必死に考えていた。
「やっぱり、
単身赴任が重荷になってたのかしら…。
何か悩みがあれば
相談してくれたらいいのに。
一人で
何もかも抱え込んでたのかしら…。」
母は自分を責め、
泣き崩れていた。
泣きながら寝てしまったのだろう、
日の光で目を覚ますと
母はベッドに横たわっていた。
鏡を見ると目の周りは腫れぼったい。
冷水で顔を洗い流し気を引き締めた。
「お父さん…。
どこに消えちゃったの?」
忽然と姿をくらました父の姿を
必死で追い求めている自分の姿を見て、
何だかドラマの主人公になったような気分になり、
心配している反面
そんな自分にも酔いしれていた。
その日1日は父の部屋の掃除をしながら、
帰りを待っていた。
待っている母をよそに、
父の姿はいっこうに現れない。
こんなに連絡がないなんて
あり得ない!
そう感じ、
母は思い切って警察に連絡してみることにした。
事故に巻き込まれているのでは?
嫌な予感が頭をよぎった。
帰ってくるかもしれないし、
もしかしたらもう帰っているのかもしれない、
そう期待していた。
むしろ、そう願うしかなかった。
アパートに着き、
母はドアの前に立った。
ドアノブを握り思い切ってドアを開けてみた。
が、鍵はかかったままだった。
肩を落としながらポストに向かい鍵を取る。
部屋に入ってみたが
やはり父の姿はなかった。
母は絶望感に駆られた。
お父さんが家出をするわけを必死に考えていた。
「やっぱり、
単身赴任が重荷になってたのかしら…。
何か悩みがあれば
相談してくれたらいいのに。
一人で
何もかも抱え込んでたのかしら…。」
母は自分を責め、
泣き崩れていた。
泣きながら寝てしまったのだろう、
日の光で目を覚ますと
母はベッドに横たわっていた。
鏡を見ると目の周りは腫れぼったい。
冷水で顔を洗い流し気を引き締めた。
「お父さん…。
どこに消えちゃったの?」
忽然と姿をくらました父の姿を
必死で追い求めている自分の姿を見て、
何だかドラマの主人公になったような気分になり、
心配している反面
そんな自分にも酔いしれていた。
その日1日は父の部屋の掃除をしながら、
帰りを待っていた。
待っている母をよそに、
父の姿はいっこうに現れない。
こんなに連絡がないなんて
あり得ない!
そう感じ、
母は思い切って警察に連絡してみることにした。
事故に巻き込まれているのでは?
嫌な予感が頭をよぎった。