サンドグラス ~アルツハイマー闘病記~
あっという間に時間が過ぎ、
純一は
仕事に戻らないといけなかった。
「ごめんな。
もう時間だ。
また来るから…。
許してくれ。」
有喜をギュッと抱きしめ、
別れを告げた。
純一は後ろ髪を退かれる思いで
部屋を後にした。
精神状態の不安定な有喜を
一人にしておくのは、
やはり男として情けなく感じた。
次の日、
純一は5分でも良いから有喜に会おうと、
少し早めに家を出た。
“ピンポーン”
家のチャイムを押すが有喜の返事はない。
もう行ったのかな?
と思うが、
念のため…と、
有喜の家の合い鍵で部屋を開ける。
と、そこには
まだ布団にくるまったままの有喜がいる。
「どうした?
有喜!
気分でも悪いのか?」
と純一は、慌てて
有喜の側に駆け寄る。
「え?どうしたの?
もう朝?」
と、寝ぼけ眼に有喜が答える。
「そうだよ。
いつもなら有喜は
準備してる時間じゃないか。」
純一は有喜の驚きの言動に、
少し動揺が隠せない様子である。
「そうだっけ?
じゃあ用意しよっかな。」
と、有喜の言動は明らかに変である。
有喜は歯を磨きながら話を続けた。
純一は
仕事に戻らないといけなかった。
「ごめんな。
もう時間だ。
また来るから…。
許してくれ。」
有喜をギュッと抱きしめ、
別れを告げた。
純一は後ろ髪を退かれる思いで
部屋を後にした。
精神状態の不安定な有喜を
一人にしておくのは、
やはり男として情けなく感じた。
次の日、
純一は5分でも良いから有喜に会おうと、
少し早めに家を出た。
“ピンポーン”
家のチャイムを押すが有喜の返事はない。
もう行ったのかな?
と思うが、
念のため…と、
有喜の家の合い鍵で部屋を開ける。
と、そこには
まだ布団にくるまったままの有喜がいる。
「どうした?
有喜!
気分でも悪いのか?」
と純一は、慌てて
有喜の側に駆け寄る。
「え?どうしたの?
もう朝?」
と、寝ぼけ眼に有喜が答える。
「そうだよ。
いつもなら有喜は
準備してる時間じゃないか。」
純一は有喜の驚きの言動に、
少し動揺が隠せない様子である。
「そうだっけ?
じゃあ用意しよっかな。」
と、有喜の言動は明らかに変である。
有喜は歯を磨きながら話を続けた。