サンドグラス ~アルツハイマー闘病記~
「まだ決まった訳じゃないんですものね。
私がこんな弱気だったら、
有喜は不安がるわよね。」
と自分に勇気づけながら、
母は涙を拭い有喜の元へ行く。
まだ現実を知らされていない有喜は
きょとんとした顔で、
母親を眺めている。
そんな顔を見ると、
母は涙をこぼさずにはいられず、
有喜には涙を見せまいと、
抱き合うふりをし
有喜の肩でそっと泣いた。
有喜は荷物を取りに帰り、
そのまま入院となった。
「明日また来るから。」
と純一は有喜に告げ
病室を出る。
ほんとなら、
付き添いで居たい気持ちではあったが
純一には今日休んだ分の
仕事が残っていたので、
帰らざるを得なかった。
純一は会社に戻り、
残りのプレゼンを仕上げていた。
時計が深夜3時をまわった頃、
ようやく遅れを取り戻せた。
しかし、今日も病院に行く事を考えると、
今日の分も…
と思い、仕事を続ける事にした。
社員が出社してくる頃、
ようやく仕事が一段落付いた。
外回りをしてくると、
上司に嘘を付き、
純一は有喜の待つ病院へ急いだ。
病院に着くと有喜は検査を終え、
母親と楽しく話をしていた。
幼いときの想い出話や、
仕事場の話、
純一との事など、
久々の再開に
2人の会話は尽きる事がなかった。
最近仕事が忙しかった有喜にとっては
思いがけない休養になり
良かったのではないかと、
まだ現実を知らされていない純一は
感じていた。
私がこんな弱気だったら、
有喜は不安がるわよね。」
と自分に勇気づけながら、
母は涙を拭い有喜の元へ行く。
まだ現実を知らされていない有喜は
きょとんとした顔で、
母親を眺めている。
そんな顔を見ると、
母は涙をこぼさずにはいられず、
有喜には涙を見せまいと、
抱き合うふりをし
有喜の肩でそっと泣いた。
有喜は荷物を取りに帰り、
そのまま入院となった。
「明日また来るから。」
と純一は有喜に告げ
病室を出る。
ほんとなら、
付き添いで居たい気持ちではあったが
純一には今日休んだ分の
仕事が残っていたので、
帰らざるを得なかった。
純一は会社に戻り、
残りのプレゼンを仕上げていた。
時計が深夜3時をまわった頃、
ようやく遅れを取り戻せた。
しかし、今日も病院に行く事を考えると、
今日の分も…
と思い、仕事を続ける事にした。
社員が出社してくる頃、
ようやく仕事が一段落付いた。
外回りをしてくると、
上司に嘘を付き、
純一は有喜の待つ病院へ急いだ。
病院に着くと有喜は検査を終え、
母親と楽しく話をしていた。
幼いときの想い出話や、
仕事場の話、
純一との事など、
久々の再開に
2人の会話は尽きる事がなかった。
最近仕事が忙しかった有喜にとっては
思いがけない休養になり
良かったのではないかと、
まだ現実を知らされていない純一は
感じていた。