サンドグラス ~アルツハイマー闘病記~
純一は、
有喜の気持ちが落ち着くまで、
面会に来ても
遠くから
有喜の姿を伺うだけにし、
有喜をなるべく
刺激しないようにと、
純一なりの
些細な気遣いをしていた。
その代わり、
毎日有喜に手紙を書き、
そっと部屋のドアにはさんで
帰っていたのだ。
こんな一方的な手紙が
有喜の机の端に
5~6枚置いてある事に気づいた。
ベットから
滅多に起きあがる事のなかった有喜は、
掃除のおばさんが
手紙を机に置いてくれていた事など
知る由もなく、
純一と自分を
責めてばかりいたのだ。
有喜は今までの手紙を
1日中、何度も何度も
読み返していた。
そんな手紙を
一方的に送る日が
何日続いただろうか…。
純一がいつも通り手紙をはさもうと
ドアを開けると、
1枚の手紙が降ってきた。
純一が手に取ると、
有喜からの返事だった。
純一は喜びと驚きに襲われ、
直ぐさま手紙を開いた。
『純一へ
たくさんの気持ち
ありがとう。
私は一人じゃないんだね。
一人で
クヨクヨしてても
しょうがないよね。
純一や、お母さんに
あたってばっかりで
ごめんね。
自然と私は
2人に頼ってた。
これからはしっかり
自分の病気と向き合って、
生きていこうと思う。
それまで、いっぱい
迷惑かけると思うよ?
それでもいいの?
それでも一緒にいてくれるの?
私、頑張るから!
見守っていて下さい。
有喜』
有喜の気持ちが落ち着くまで、
面会に来ても
遠くから
有喜の姿を伺うだけにし、
有喜をなるべく
刺激しないようにと、
純一なりの
些細な気遣いをしていた。
その代わり、
毎日有喜に手紙を書き、
そっと部屋のドアにはさんで
帰っていたのだ。
こんな一方的な手紙が
有喜の机の端に
5~6枚置いてある事に気づいた。
ベットから
滅多に起きあがる事のなかった有喜は、
掃除のおばさんが
手紙を机に置いてくれていた事など
知る由もなく、
純一と自分を
責めてばかりいたのだ。
有喜は今までの手紙を
1日中、何度も何度も
読み返していた。
そんな手紙を
一方的に送る日が
何日続いただろうか…。
純一がいつも通り手紙をはさもうと
ドアを開けると、
1枚の手紙が降ってきた。
純一が手に取ると、
有喜からの返事だった。
純一は喜びと驚きに襲われ、
直ぐさま手紙を開いた。
『純一へ
たくさんの気持ち
ありがとう。
私は一人じゃないんだね。
一人で
クヨクヨしてても
しょうがないよね。
純一や、お母さんに
あたってばっかりで
ごめんね。
自然と私は
2人に頼ってた。
これからはしっかり
自分の病気と向き合って、
生きていこうと思う。
それまで、いっぱい
迷惑かけると思うよ?
それでもいいの?
それでも一緒にいてくれるの?
私、頑張るから!
見守っていて下さい。
有喜』