サンドグラス ～アルツハイマー闘病記～

『今日から

　２人だけの記憶のページが

　幕を開けました。

　少し照れくさいけど、

　２人の想い出を
　
　忘れないうちに

　書き記していきたいと
　
　思います。

　ねぇ、純一覚えてる？

　２人が初めてあった日の事…。

　私の仕事が

　なかなか思うように進まなくって、

　BARでやけ酒してたら

　男の人に絡まれちゃって

　そこを彼氏の振りして

　助けてくれたんだよね。

　あの時はちょっと強がっちゃって

　余計なお世話！！

　とか言っちゃったけど、

　実は凄く怖かったんだ。

　だから嬉しかったな。

　あれなら何度か

　BARで出会うようになったのがきっかけだよね。

　暴露しちゃうけど、

　ほんとはあのBAR

　行きつけだ

　とか言ってたけど、

　純一に出会ってから

　行きつけになっちゃったんだよ。

　あの後の出会いは

　偶然なんかじゃなくて

　私が純一に会うための

　作戦

　だったんだ。

　名付けて

　運命と思わせる作戦！（笑）

　付き合ってから

　何度も喧嘩して衝突したけど、

　自分の気持ちを素直に伝える事が出来たのは

　純一が初めてだよ。

　ほんと、純一に出会えて良かった。

　今回の温泉は

　２人の初旅行だったから

　凄く楽しかったよ。

　温泉気持ちよかったし。』