サンドグラス ~アルツハイマー闘病記~
純一も

自分の気持ちをノートに書き記しだした。
 
『2人が出会った日の事、

 俺も鮮明に覚えてるよ。

 でも、あの運命的な出会いが

 まさか有喜の悪戯だったとはなぁ~。

 やられた!

 でも、正直

 俺もまた会えないかな?

 って思いながら

 あのBARに通ってた。

 って事でお互い様だけどね。

 こんなに綺麗な人を

 逃すもんか!

 と思ってあのBARに

 毎晩通ったよ。

 その成果もあって

 今の俺たちがあるんだから、

 絡んできたお兄さんに

 感謝だね!

 今までは

 お互い仕事仕事で、

 なかなかデートする時間がなかったから

 楽しい想い出は

 あんまり無いかもしれないけど、

 これからは

 いろんなところに連れて行って

 あげたいと思ってる。

 一緒に想い出沢山作ろうな。

 このノートがすぐに埋まるくらい、

 有喜に想い出を作ってやる。

 そうそう、

 これも忘れちゃいけないよ。

 2人が初めて結ばれた日!

 ちゃんと覚えてるか?

 外は寒くて雪が降ってたな…。
 
 いつもクールな女だったけど、

 ベッドの上では違った。

 凄く恥ずかしそうで、

 可愛かったな。

 イメージと違ってたから

 ギャップに驚いたけど、

 そんな有喜にますます

 惚れていったんだ。

 あんまり話すと

 ただの変態と思われちゃいけないから

 ここらで止めておこう。

 今回の温泉は最高だったな。

 2人での初旅行だし、

 旅館も綺麗だった。

 有喜の魅力に負けて

 ご飯は殆ど食べれなかったけど…。

 また、休暇取って

 旅行に行こうな。』

純一は書き終え

ノートを閉じた。
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