彼氏は可愛い年下系
あたしは、控えめに呼んだ。




一樹君は首を傾げ、少し笑ってくれる。




「…話さなくちゃ、いけない事あんだ」




あたしは頑張って笑みを見せる。




裏腹に、拳を強く握った。




「あたし、約束したの……。一樹君の、お母さんと……、今日、別れるって」




あんまり動かない口を、精一杯動かす。




一樹君の表情は、曇っていった。




「あたしがいると、やっぱり辛いんだって……。泣いて頼まれたの…」



「っ」




徐々に、目には涙が溜まっていく。




顔を歪ませ、涙を堪えた。




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