PRINCESS×PRINCE
あの子が何かされたらどうすんだよ!なんて心の中でキレたってしょうがない。
答えは出てる。
あたしが助ければ済む話しだ。
分かっている。
けど変質者は怖い。
逆ギレされたら何されるか分からないし。
でもそろそろイライラが募って頭が破裂しそう。
あの小さな子を我が物顔で蹂躙しているデブの顔が本当腹立つ。
「―――!」
あの野郎っなんか手でごそごそしてやがる!!
今まではニヤニヤしていただけだったキモ男が、とうとう動き出したのを見て理性は飛んだ。
あたしは走り出す。
向こう側の道目掛けて。
「――テメェ!」
バッ
小さな身体を巨体から隠すように立ちはだかった。
両手を広げてキモ男を睨みつける。
「いい加減にしろよ!嫌がってんだろーがこのデブッ!!」
「――え」
「え」
「あ…」
気づいた時には宙に放っていた自分の口の悪さに内心『やっちまったあああ!』と叫んだ。