社長と小悪魔ハニーの年の差婚
「でも、トーマは仕事…忙しいでしょ?」


「なんとか…栗原に調整させて、まとまった休みを作る…。でもそう遠くには行けないと思うけどな」



「・・・無理しなくてもいいのに」


「・・・本当に…美古お前は可愛くない女だ…素直に喜べよ」


「元カノとキスした男が偉そうに言わないで!」


「そうだな…」



気づけば、実家の店の駐車場に車が停っていた。実家は地元では有名なイタリアンレストラン。


直ぐ近くに湘南の海が見える。



私は車から降りて、夜風に混じった潮の香りを吸い込む。



「ほら」



トーマがトランクの荷物を出して、私に渡した。


「ほとぼりが冷めるまで、ここに居ろ…あまり出歩くなよ…」


「うん」
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