蝶が見る夢
それに、マンションに似合わなくても、小綺麗にされた部屋と匠には十分すぎるほど似合っていると思っている。
だから私はこの部屋に綺麗で優れたなもの達を置く。
「匠、No.1じゃない?よく予約すっぽかされたりしない?」
「え、ええ…。この前だって、京都に行く約束していたのに、当日になってキャンセルされて…具合悪いって言っていたけど」
この子だったのか。
あの後匠は店に罰金を払いながら、それを超える額のお金を持ってきた。客からの見舞金だと言っていた。
惨めな少女に、酷とは知りつつ「ざまあみろ」と思ってしまう。
何もかもお見通しの私に、少女は些か動揺している。
実際にはお見通しなのではなく、これは共感なのだ。
当然、私はすっぽかされたことなどないが。
匠は私が匠を必要としている以上に、私を必要としているから。
だから私はこの部屋に綺麗で優れたなもの達を置く。
「匠、No.1じゃない?よく予約すっぽかされたりしない?」
「え、ええ…。この前だって、京都に行く約束していたのに、当日になってキャンセルされて…具合悪いって言っていたけど」
この子だったのか。
あの後匠は店に罰金を払いながら、それを超える額のお金を持ってきた。客からの見舞金だと言っていた。
惨めな少女に、酷とは知りつつ「ざまあみろ」と思ってしまう。
何もかもお見通しの私に、少女は些か動揺している。
実際にはお見通しなのではなく、これは共感なのだ。
当然、私はすっぽかされたことなどないが。
匠は私が匠を必要としている以上に、私を必要としているから。