紺碧の海に漂う想い〜あなたがくれた物〜
「ここね…、家族で最後に来た場所なんだ…。と言っても小学校の時だけどね…。私は中学になったら…家族でってのがウザくなって…。」

と、華央璃ちゃんは、足の上に両手をのせて震えていた。

俺は、運転席に近い右手の上に自分の右手を重ねた。

ビクッと、華央璃ちゃんは俺を見上げ、体を固くさせた。

俺は、華央璃ちゃんの決意を確かめるべく言葉をかけた。

「さあ、行こうか…。」

その言葉に、華央璃ちゃんは固い表情のまま…だけど、しっかりとした目付きをしてコクっと1回頷いてみせた。

この、華央璃ちゃんの心構えが、この後すぐの俺を救う事となった。



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