紺碧の海に漂う想い〜あなたがくれた物〜
だから、図書室にいる私に声をかけてきた福田君は、マナー的に小声になるのだ。


「別に…、そんな事ないよ…、なんでもないから…。」

と、私は福田君と視線を少しだけ合わせてから、直ぐに逸らすと、物理の参考書をめくった。

「そう…、なんでもない…ね。」

と、含み笑いをしながら、福田君は私の正面に座った。

「何?私…予習中なんだけど!!」

と、顔を上げずに言う私は、いくら人との関わりが面倒に思っているとは言え、この態度は自分でも嫌になる。
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