向日葵を君に。


数日が過ぎた。

楓くんは学校に来るようになった。

「せーんせ。今日のアイスっ」

楓くんは満面の笑みで保健室に入ってきた。

「ありがとー」

私は、楓くんから、アイスを受け取り、鮮やかに描かれたパッケージを何の躊躇いもなく、開けた。

アイスのそれらしい匂いがそこらじゅうに現れた。

「うまいっっ!やっぱ夏はアイスだよ〜
助かるよ〜いつもいつも」

「若い保健医が言うセリフじゃねぇな」

楓くんはけらけらと笑った。

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